本地ほんち)” の例文
それ、熊野本宮の阿弥陀如来は、済度苦界の教主、法身ほうしん報身ほうしん応身おうしんの三身をそなえたる仏なり。或は早玉宮はやたまぐう本地ほんちの薬師如来は衆病悉除しゅびょうしつじょの如来なり。
君はおのづから君の本地ほんちありてその島田をば丸曲まるまげにゆひかへる折のきたるべく、うつくしき乳房を可愛かわゆき人に含まする時もあるべし、我れは唯だ君の身の幸福しやわせなれかし
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「熊野権現の本地ほんち阿弥陀如来あみだにょらい、願わくは、摂取不捨せっしゅふしゃの本願をば誤たず、浄土へお導き下さい。又、都に残った妻や子がこれから一生安穏に暮せるようお護り下さい」
れはきみいとはれてわかるゝなれどもゆめいさゝかうらことをばなすまじ、きみはおのづからきみ本地ほんちありて其島田そのしまだをば丸曲まるまげにゆひかへるをりのきたるべく、うつくしき乳房ちぶさ可愛かわゆひとふくまするときもあるべし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)