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みぞう
ふりがな文庫
“
未曽有
(
みぞう
)” の例文
旧字:
未曾有
その細心いたらざるなき注意と、事件にあたってまず周囲の人を完全に
欺
(
だま
)
す俳優的技能とは、まさに前古
未曽有
(
みぞう
)
のものといわれている。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「あれが事実とすれば
未曽有
(
みぞう
)
の大事だが、あまりに意想外で、とうてい真実とは思えない、なにかの間違いではないのか」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一つ朝に、同じ場所へ三人もの捨て子をするとは、なにごとも日の本一を誇る江戸においても、まさに古今
未曽有
(
みぞう
)
前代
未聞
(
みもん
)
のできごとだったからです。
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
もう一つには藤原氏の長者という大いなる威勢をひとに示そうとする政略の意味も幾分かまじって、きょうの饗宴は彼として実に
未曽有
(
みぞう
)
の豪奢を極めたものであった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天晴
(
あっぱ
)
れ立派に建ったるかな、あら快よき細工振りかな、
希有
(
けう
)
じゃ
未曽有
(
みぞう
)
じゃまたあるまじと為右衛門より門番までも、初手のっそりを
軽
(
かろ
)
しめたることは忘れて讃歎すれば
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
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その勢い一転してまた
未曽有
(
みぞう
)
の大改革たる廃藩置県の一英断を来たせり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
さて
未
(
ひつじ
)
の上刻となり、いよいよ古今
未曽有
(
みぞう
)
の捕物吟味御前試合。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そんなことは
未曽有
(
みぞう
)
であるし、なにしろ余りに突然である。頭の上のほうからずぬけた高声で絶叫され、われ知らず右衛門は脇のほうへ身を避けた。
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いよいよここにまこと伝六のことばのごとく、城持ち大名と捕物名人の古今
未曽有
(
みぞう
)
な力と知恵の一騎打ちが、いまぞ開始されんず形勢とあいなりました。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
未曽有
(
みぞう
)
の陰謀を企んでいる、誰かが、——われわれはそれを知りたいんだ、どうしても知らなくてはならないんだ
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
などと
脂
(
やに
)
下った感想を漏らされたとある。やがて彼女は懐妊し、そのため嫉妬と飲酒悪癖は増大に増大、或る夜、吉近侯と
未曽有
(
みぞう
)
の大格闘を実行したあげく
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
殺生禁断という、
未曽有
(
みぞう
)
の悪法令を出したほか、日常の起居進退が、極端なくらい臆病で、迷信狂癖の多い綱吉に比べると、綱豊の性格は殆んど対蹠的である。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ゆうれい貸屋という、前古
未曽有
(
みぞう
)
な、しかもすばらしく有利な事業は、こうして不幸にも創業まもなく解消した。世に有難きは女のまことであり、恐るべきは女の嫉妬である。
ゆうれい貸屋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
未
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
曽
常用漢字
中学
部首:⽈
11画
有
常用漢字
小3
部首:⽉
6画
“未”で始まる語句
未
未曾有
未練
未亡人
未刻
未明
未来
未來
未熟
未知