更生こうせい)” の例文
そして柿丘が、もう一ヶ月遅く、博士の病院の門をくぐるか、乃至ないしはもう一ヶ月速く博士の診断をあおいだとしたら、彼は更生こうせいの機会を遂に永遠に喪ったことだろう。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と私は更生こうせい一新の発心ほっしんをしたばかりだったから、無暗に理想が高くて他を律するに厳しかった。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
幸いにして東京に良家のあるありて、彼女のために適所を供さば、たんに心身の更生こうせい僥倖ぎょうこうしうるのみならず、その生得しょうとくの才能を発揮するの機縁に遇いうるやも計るべからず。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
中之島公園の川岸にたたずんで死を決していた長藤十吉君(当時二十八)を救って更生こうせいへの道を教えたまま飄然ひょうぜんとして姿を消していた秋山八郎君は、その後転々として流転るてんの生活を送った末
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
烏啼はそういって、探偵袋猫々に向って合掌がっしょうした。彼の両眼は義弟の更生こうせいしゃする涙にうるんでいた。
それで多量の閑暇かんかをもてあましたらしい夫人は、間もなく健康を恢復かいふくして更生こうせいの勢いものすごく社会の第一線にのりだして行った柿丘秋郎の関係している各種の社会事業に自らすすんで
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)