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暗窖
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あんこう
ふりがな文庫
“
暗窖
(
あんこう
)” の例文
ウィリアムは又
起
(
た
)
って扉に耳を付けて聴く。足音は部屋の前を通り越して、次第に遠ざかる下から、壁の射返す響のみが朗らかに聞える。何者か
暗窖
(
あんこう
)
の中へ降りていったのであろう。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
但
(
ただ
)
し歌の意味も文句も、二吏の対話も、
暗窖
(
あんこう
)
の光景もいっさい趣向以外の事は余の空想から成ったものである。ついでだからエーンズウォースが獄門役に歌わせた歌を紹介して置く。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其音
(
そのおと
)
を
聞
(
き
)
きながら、つい、うと/\する
間
(
ま
)
に、凡ての
外
(
ほか
)
の意識は、全く
暗窖
(
あんこう
)
の
裡
(
うち
)
に
降下
(
こうか
)
した。が、たゞ独り
夜
(
よる
)
を
縫
(
ぬ
)
ふミシンの
針
(
はり
)
丈が
刻
(
きざ
)
み足に
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
を
断
(
た
)
えず
通
(
とほ
)
つてゐた事を自覚してゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その音を聞きながら、つい、うとうとする間に、凡ての外の意識は、全く
暗窖
(
あんこう
)
の
裡
(
うち
)
に降下した。が、ただ独り夜を縫うミシンの針だけが刻み足に頭の中を断えず通っていた事を自覚していた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
窖
漢検1級
部首:⽳
12画
“暗”で始まる語句
暗
暗闇
暗澹
暗夜
暗誦
暗黒
暗示
暗礁
暗々裡
暗中