“暗窖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あんこう80.0%
グランド・セラー20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ウィリアムは又って扉に耳を付けて聴く。足音は部屋の前を通り越して、次第に遠ざかる下から、壁の射返す響のみが朗らかに聞える。何者か暗窖あんこうの中へ降りていったのであろう。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただし歌の意味も文句も、二吏の対話も、暗窖あんこうの光景もいっさい趣向以外の事は余の空想から成ったものである。ついでだからエーンズウォースが獄門役に歌わせた歌を紹介して置く。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
機械室から暗窖グランド・セラーのように暗みわたった下の方へ向けて、太い二本の麻縄が垂れ下り、その一本は下の方に、一本は上の方に静かに動いていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)