晩食ばんしょく)” の例文
このつましい晩食ばんしょくがすんだとき、犬はまたさっきのようにあとねだりをするだろうと思っていたが、かれらはまるでそんなことはしなかった。
晩食ばんしょくに傾けた酒のいきおいが、まだ頬の上に差しているごとく思われた。宗助は貰い煙草たばこをして二三十分ばかり話して帰った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たとえば今申したライスカレーは昼食ひるめしの物で晩食ばんしょくに出すものでありません。何となれば刺撃物や興奮性の物を晩食に用ゆると夜中安眠の害になります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と善良な夫は反問の言外に明らかにそんなことはせずとよいと否定ひていしてしまった。是非ぜひも無い、簡素かんそ晩食ばんしょく平常いつもの通りにまされたが、主人の様子は平常いつもの通りでは無かった。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
取るべき晩食ばんしょくをまだ取らないので、腹がすいてきたにもるのだろう。
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
衣がすっかりれると、なべのまま、熱灰あつばいの上にのせた。それでどらきが焼け、げりんごが揚がるまでには、晩食ばんしょくのときまで待たなければならなかった。
わたしたちは朝飯あさめしを食べなかった。わたしの持っている十一スーでは昼食と晩食ばんしょくを食べるには足りなかった。そこでわたしたちは一食で両方兼帯けんたいの昼食を食べて、満足まんぞくしなければならなかった。
カピも一行の一人になるはずであった。わたしたちは四時まではたらくことにして、仕事がすんだところで、門にじょうをかって、アルキュエイまで行くことになった。晩食ばんしょくは八時にできるはずであった。