)” の例文
かたの角の蕎麦屋の台所口とがつづいたあと、右には同じく浅倉屋の土蔵、左には、表に灰汁桶あくおけの置かれた女髪結のうちがあった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
まともな女の人をみればすぐを向くような変なものを持っていた私は、その変なもので横山美智子をすげなくしてお帰ししたのである。
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そういう時、最初の看護婦は、——その女は二日ほどいたが堪えられずに帰ってしまった——後を向いて泣出し、二度目の看護婦は不貞腐ふてくされてを向いていた。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
つまり江戸川の末の方で、片っは海にむかっている所だ。むかしは堀江千軒と云われてたいそう繁昌した土地だそうだが、今は行徳や船橋に繁昌を取られて、よっぽどさびれたということだ。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
首をそっへ向けるのでした。
よだかの星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)