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しんまち
以前、
芸妓で居ました時、
北新地、
新町、堀江が、一つ舞台で、芸較べを
遣った事があります。その時、南から舞で出ました。
面白いことにはその歌の半数以上が、
嶺を隔てた
長久保の
新町あたりで、
妓女の歌っていた
都々逸の文句であった。
三人ずつ
分れて一番繁昌な
賑やかな処で双方から出逢うような
仕組にするから、賑やかな処と
云えば
先ず遊廓の近所、
新町九軒の
辺で
常極りに
遣て居たが
「
石原町の
日傭取の娘お仙と駄菓子屋の女房のおまき、それから石原
新町の
鋳掛屋の娘おらく——」
「それじゃ近い。僕のところも妻のところも
新町です」
その時大阪中で
牛鍋を
喰わせる処は
唯二軒ある。一軒は
難波橋の
南詰、一軒は
新町の
廓の
側にあって、最下等の店だから、
凡そ人間らしい人で
出入する者は決してない。