新町しんまち)” の例文
以前、芸妓げいしゃで居ました時、北新地きたのしんち新町しんまち、堀江が、一つ舞台で、芸較べをった事があります。その時、南から舞で出ました。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面白いことにはその歌の半数以上が、みねを隔てた長久保ながくぼ新町しんまちあたりで、妓女ぎじょの歌っていた都々逸どどいつの文句であった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三人ずつわかれて一番繁昌なにぎやかな処で双方から出逢うような仕組しくみにするから、賑やかな処とえばず遊廓の近所、新町しんまち九軒くけんへん常極じょうきまりにやって居たが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
石原町いしはらちょう日傭取ひようとりの娘お仙と駄菓子屋の女房のおまき、それから石原新町しんまち鋳掛屋いかけやの娘おらく——」
「それじゃ近い。僕のところも妻のところも新町しんまちです」
冠婚葬祭博士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その時大阪中で牛鍋うしなべわせる処はただ二軒ある。一軒は難波橋なにわばし南詰みなみづめ、一軒は新町しんまちくるわそばにあって、最下等の店だから、およそ人間らしい人で出入でいりする者は決してない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
女郎は大阪の新町しんまち
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)