散銭ばらせん)” の例文
そして汚れた巾着から散銭ばらせんを二つ三つ取り出して、わざと道の上に落した。お鳥目はかちんと音をたてて、上人のあしもとで二三度くるくると舞つた。
散銭ばらせんに色々文字替りがあるやうに、顔立かほだちけると女にも色々種類はあるが、大抵はみんな男に親切なものさ。
もつと画家ゑかきなどいふものは、無駄口と同情おもひやりひとばい持合せてゐる癖に、金といつては散銭ばらせん一つ持つてないてあひが多いが、さういふてあひは財布をける代りに、青木氏を自分のうちに連れ込んで
それを見ると、ばあさんは火のやうにおこつて、折角の売物を代なしにした、是非引取つて貰はうと懸合つたが、王羲之は黙つて財布をつてみせた。財布には散銭ばらせん一つ鳴つてゐなかつた。