損毛そんもう)” の例文
思ひし深切に久八も大に喜悦よろこび何商なにあきなひを初めたらよろしからうと工夫をなせども元より大家の支配人の果なれば小商こあきなひの道を知ず右左とかく損毛そんもう多く夫而已のみならず久八は生れ付ての慈悲じひ心深くまづしき者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
維新後は両刀を矢立やたてに替えて、朝夕算盤そろばんはじいては見たが、慣れぬ事とて初の内は損毛そんもうばかり、今日に明日あすにと喰込くいこんで、果は借金のふちまり、どうしようこうしようと足掻あがもがいている内
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)