援兵えんぺい)” の例文
援兵えんぺいを求めて大一座を作り、ボンヤリ坐ってもいられないから、酒にする。今夜は、四谷瘤寺裏よつやこぶでらうらの横地半九郎の屋敷が当番だ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
悪いことはすすめぬから、いまのうちに柴田家しばたけ旗下きかについて、後詰ごづめ援兵えんぺいをあおぐが、よいしあんと申すものじゃ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然るに城中はすでに食尽き、援兵えんぺいの来る望みもない。……元来天下の衆に先立ち、草創そうそうの功を志す以上、節に当り義に臨んでは、命をおしむべきではない。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
司令部が寄越した援兵えんぺいにしては、無警告だし、地方の師団から救援隊が来るとしても、おかしい。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが思いがけず最近になって妙な援兵えんぺいが現れた。しかも大変有力な援兵なのである。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
そこでいろいろ命令を出してから、皆打揃って京の町へ入ってある大きな家をおそった。その前にその近所にある目ぼしい援兵えんぺいでも出しそうな家に対して、二、三人ずつ人を分けて警戒けいかいさせた。
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
市松いちまつ、そこが昌仙のぬからぬところじゃ。われからことに援兵えんぺいをださせて、北条ほうじょう徳川とくがわなどの領地りょうちをさわがせ、そのに乗じておのれの野心をとげんとする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早くも持て余し出したのか、このうち一人を援兵えんぺいに呼んで来いというのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すなわちこの一枚の図面は、千人の援兵えんぺいにもまさること万々ばんばんゆえ、一刻もはやく、ご本陣へまいらせたいこのほうのこころざし、なにとぞ、伊那丸さまへ、よしなにお取次ぎを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)