よぢ)” の例文
卓や椅子は黒ずんだ木で拵へて、よぢれた脚の下の方が細くしてある。壁に塗り籠めた大きい、丈の高い炉には時計とキヤベツとが彫つてある。
十三時 (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
憎い奴だ、彼奴あいつと彼奴は父の敵だ、と、さう姉や親戚の者達が円座を作つて、顔を歪め唇をよぢり曲げて罵り合ふのを、軍治は何度となく眼にし、耳に聞いた。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
をんなはあとびつしやりをする、脊筋せすぢよぢらす。三俵法師さんだらぼふしは、もすそにまつはる、かゝとめる、刎上はねあがる、身震みぶるひする。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
父は長い間、たんを煩つてゐた。小男でせた父が咳込せきこんで来ると、少し前かがみになつて、何だかおなかの皮でもよぢれるやうに咳込むのがいかにも苦しさうであつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)