扨置さておき)” の例文
掛ずわるゆめだと斷念あきらめて御辛抱しんばうを成されなば大旦那にも安心あんしん致され家督かとくを御ゆずり有れんと思ひめぐらすことも有ば何は扨置さておき御家督を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取落したるとや夫はゆめにても見しならん萬一もしまことに落したり共此所の店にては有まじ夫れは外をさがされよかうた處が二十兩は扨置さておき二兩の金も持るゝ樣な人物ひとがらならずと散々に罵りければ老人はかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
打るゝ思ひいつ有體ありてい打明てと思ふ樣子を久八は頻りに後へ引止め五兵衞に向ひ何とも御わびの致し樣も御座なく御打擲ちやうちやく扨置さておき討殺うちころなされる共少しも御うらみは申ません御十分になされよと兩手をつかへかしら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)