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打負
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うちまけ
仰せ付けられ八代將軍吉宗公
上覽有し處後藤に敵する者一人もなく皆々
打負ければ將軍家
殊の外御賞美有て新知二百石下し置れ御旗本に
御取立相成ければ半四郎の
喜び
譬るにものなく是より後藤喜三郎秀國と改名して
忠勤を
廻り
歩行けるに斯る
惡黨も
運の向事ありしにや三度に二度は必らず
勝て少しく
懷中の
暖まりしかば
彌々能事に思ひ追々
大賭場へも立入
博奕の仲間に入たりけり然るに六月
末より七月へかけて四五度
續けて
打負しより又々大いに
困窮なし一時勝たる
節拵へし夫婦の
衣類は申に及ばず
家財道具を