打下うちおろ)” の例文
山三郎の乗って居るのは小鰺送こあじおくりと云う小さな船だからたまりません、船は打揚げ打下うちおろされまして、揚る時には二三間ずつも空中へ飛揚るようで
吾輩はなんでも香車か桂馬をばパチリッと盤面に打下うちおろそうと手を伸ばした途端である。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
ながせし如く眞闇まつくらやみとなり魔風まふうます/\吹募ふきつの瞬時間またゝくま激浪あらなみは山の如く打上うちあげ打下うちおろ新艘しんざうの天神丸も今やくつがへらん形勢ありさまなり日頃大膽だいたんの吉兵衞始め船頭せんどう杢右衞門十八人の水主かこ水差都合二十一人の者共きも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あとで聞けば、硫黄でえぶし立てられた獣物けものの、恐る恐る穴の口元へ首を出した処をば、清五郎が待構えて一打ちに打下うちおろす鳶口、それがまぐれ当りに運好くも、狐の眉間へと、ぐっさり突刺って、奴さん
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして八番目の打下うちおろしにがつかりと力がぬけて
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)