“吹募”の読み方と例文
読み方割合
ふきつの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分はなぜか躊躇ちゅうちょして手を出しかねた。その時雨の音が窓の外で蕭々しょうしょうとした。昼間吹募ふきつのった西北にしきたの風は雨と共にぱったりと落ちたため世間は案外静かになっていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おい、船頭さん、大丈夫かい、なんだか天気が危なくなったぜ、風がひどく吹募ふきつのるじゃねえか」
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
留守るすにはかぜ吹募ふきつのる。戸障子としやうじががた/\る。引窓ひきまどがばた/\とくらくちく。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)