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手抜
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てぬか
ふりがな文庫
“
手抜
(
てぬか
)” の例文
ある重大な
手抜
(
てぬか
)
りに気づいたのだ。あの様な際に、よくもそこまで考え廻すことが出来たと、彼はあとになって
屡々
(
しばしば
)
不思議に思った。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その疑いをまた少しも後へ繰り越させないように、
手抜
(
てぬか
)
りなく仕向けて来る相手の態度を眼の前に見た時、お延はむしろ気味が悪くなった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
伸太郎 成程お前は一家の女主人としては実によく
行届
(
ゆきとど
)
く。店の仕事から奉公人の指図、台所から掃除洗濯、近所
交際
(
づきあい
)
、何一つとして
手抜
(
てぬか
)
りはない。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
何時も料理と同じ様に行届かぬ
手抜
(
てぬか
)
りを見付出されては叱られて居られた。
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あんな、栓を落すのを忘れて来る程では、外にも何か
手抜
(
てぬか
)
りがあったかも知れない。そう思うと、彼はもう気が気ではないのです。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
彼はもう何の躊躇する所もなく、機械人形の様に無神経に、
微塵
(
みじん
)
の
手抜
(
てぬか
)
りもない正確さで、次々と彼の計画を実行して行きました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
写真をしまった所まで調べ上げてあるのだから、何といってもこっちに
手抜
(
てぬか
)
りはない筈だ。宗三、勝利者の気組みで、ぐっと落着いて、お花の様子を眺めている。
接吻
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「だがね、用心には用心をするがいいぜ。どんなところに
手抜
(
てぬか
)
りがあるまいものでもねえ。早い話がこの俺がだよ。鳥打や背広だけお前達の仲間で、中身は
存外
(
ぞんがい
)
敵かも知れないからね」
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
というのは、そこには、真実の兄のつけた部分のある
頁
(
ページ
)
の隅に、一つの指紋がハッキリと現れていたのです。私はとんでもない
手抜
(
てぬか
)
りをしていたことに気附いて、思わずギクリとしました。
双生児:――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お
極
(
きま
)
りだあな。そこに
手抜
(
てぬか
)
りがあるものか。こっちには
桝本
(
ますもと
)
のおやじが抱き込んである。あいつにたんまりくらわせてあるからね。あれの人望で
圧
(
おさ
)
えつけりゃ、ナアニ、びくともするこっちゃない。
五階の窓:01 合作の一(発端)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この場合明智の方に
手抜
(
てぬか
)
りがあったとは云えぬ。彼が今上野駅へ到着する事は、波越警部と、福田氏とが知っているばかりだ。この自動車が
偽物
(
にせもの
)
だなどとは、神様だって想像も出来なかったであろう。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭