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憂慮
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きづかわ
ふりがな文庫
“
憂慮
(
きづかわ
)” の例文
と少し膝を浮かしながら、手元を覗いて
憂慮
(
きづかわ
)
しそうに、動かす顔が、鉄瓶の湯気の
陽炎
(
かげろう
)
に薄絹を掛けつつ、宗吉の目に、ちらちら、ちらちら。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しばらくは早瀬の家内、火の消えたるごとしで、
憂慮
(
きづかわ
)
しさの余り、思切って、更に真砂町へ伺ったのが、すなわち薬師の縁日であったのである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白い
身体
(
からだ
)
をぴッたり
附着
(
くッつ
)
けて、突当りのその病室の方を
覗
(
のぞ
)
いてね、
憂慮
(
きづかわ
)
しそうにしているから、声をかけて閉めて貰って
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余り意外な事の体に、答うる
術
(
すべ
)
なく、黙って
流眄
(
ながしめ
)
に見ていたが、果しなく
頭
(
こうべ
)
も
擡
(
もた
)
げず、突いた手に畳を
掴
(
つか
)
んだ
憂慮
(
きづかわ
)
しさに、棄ても置かれぬ気になって
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
麗
(
うららか
)
さも
長閑
(
のどか
)
さも、余り
積
(
つも
)
って身に染むばかり暖かさが過ぎたので、思いがけない
俄雨
(
にわかあめ
)
を
憂慮
(
きづかわ
)
ぬではなかった処。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
お杉は心も心ならず、
憂慮
(
きづかわ
)
しげに少年の
状
(
さま
)
を
瞻
(
みまも
)
りながら、さすがにこの際
喙
(
くち
)
を
容
(
い
)
れかねていたのであった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この血に
餓
(
う
)
えて
呻
(
うめ
)
く虫の、次第に
勢
(
いきおい
)
を加えたにつけても、天気模様の
憂慮
(
きづかわ
)
しさに、居ながら見渡されるだけの空を
覗
(
のぞ
)
いたが、どこのか
煙筒
(
えんとつ
)
の煙の、一方に
雪崩
(
なだ
)
れたらしい
隈
(
くま
)
はあったが
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
憂慮
(
きづかわ
)
しければぞ問いたる。小親は事も無げに
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ええ、御病気。」と
憂慮
(
きづかわ
)
しげに打傾く。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“憂慮”の意味
《名詞》
憂慮(ゆうりょ)
心配すること。
(出典:Wiktionary)
憂
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
慮
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“憂慮”で始まる語句
憂慮気