わなゝ)” の例文
ニコオロよ、いかにしておん身は歸りし、これも聖母の御惠みめぐみにこそといひつゝ、女は窓に走り寄りぬ。その聲は猶わなゝけり。われはどもりて、ゆるし給へ君と叫びぬ。
何たる神秘、落ちついた真青な輝き……暗い深夜の秘密に密醸された新鮮な酸素の噎びが雨後の点滴てんてきと相連れて、冷たい霊性の火花も今真青にわなゝき出した。……その下に猫がゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
幼児をさなごのごとわなゝきて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
楽慾げうよく破片はへん砲弾たまわなゝける。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)