ぶる)” の例文
「おや李立、てめえ、急にヘンながたがたぶるいをしだしたじゃねえか。何かあったのかい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重い疲労を引きりながら、夕方の道を帰って来た。その日町へ出るとき赤いものを吐いた、それが路ばたの槿むくげの根方にまだひっかかっていた。堯にはかすかな身ぶるいが感じられた。
冬の日 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
家の中のは藪からしの繁りを美しくして見せた。二階からはぼんやりした明りよりさして居ない。真実ほんとうつめたくなつて来た。白い卓覆ひに指が触れると少し身ぶるひのおこるのを覚えられる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)