愛子まなご)” の例文
夜は舳先へさきに見る月の清らなること昨日きのふに異らずさふらふ。ベツカ夫人鈴子すゞこの君の愛子まなご、マリイ、エヂツ、アンネスト、エレクの君達皆私に馴れ給ひ、就眠の際の挨拶をも受け申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
玉の如くにあでやかなる面影に、忽ち戀慕の心湧いて、あれは何人ぞと、傍の雜人ざふにんに訊きたるに、あれこそは衣川殿の愛子まなごにて、左衛門尉渡どのの北の方、袈裟御前にて候との答なりし。
袈裟の良人 (旧字旧仮名) / 菊池寛(著)
善き加特力カトリコオ教徒はこれとことにて神の愛子まなごなり、これをおとしいれむには惡魔はさま/″\の手立を用ゐざること能はず。惡魔はわれ等を誘ふなり。われ等は弱きものなればその手の中に落つること多し。
自然の愛子まなごか、君はひとり
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
奇蹟は信仰の愛子まなごだ。
春の愛子まなごにたとへば
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)