想起おもひおこ)” の例文
軍艦ぐんかん種類しゆるいならばなに配慮しんぱいするにはおよばないが——しや——しや——とわたくしはふとあること想起おもひおこしたときおもはずも戰慄せんりつしたよ。
そは最も小なる室にして、わが最も好める室なり。今若し君をかしこに在らしむることを得ば、君は能くわがむかしの喜を解し、又能くわが今日そを想起おもひおこす喜を解し給はん。
丑松はあの蓮太郎の話を想起おもひおこして、いよ/\其が事実であつたのに驚いてしまつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、愛嬌あいけうのある、明白てきぱきした物の言振いひぶりは、何処かに人をひきつけるところが無いでもない。隆とした其風采なりふりを眺めたばかりでも、いかに斯の新進の政事家が虚栄心の為に燃えて居るかを想起おもひおこさせる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)