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情緒
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じょうちょ
ふりがな文庫
“
情緒
(
じょうちょ
)” の例文
殿様
(
とのさま
)
のおしのびめいたり、しんみり父親の
油滲
(
あぶらじ
)
んだ手を思い出したりして、後に随いて廻っているうちに、だんだんに
情緒
(
じょうちょ
)
が出た。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
この陽気でお
侠
(
きゃん
)
な女の一皮下には、妙な悲劇的な
情緒
(
じょうちょ
)
のあるのを、平次はまざまざと見せつけられたような気がしたのです。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この調子は、はじめて湖の見え出した時の感じに依るもので、従って恋人に近づいたという
情緒
(
じょうちょ
)
にも関聯するのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼女と私の間にはどんな
情緒
(
じょうちょ
)
纏綿
(
てんめん
)
とした場面もなかったのである。あるとき彼女はこんなことを云ったことがある。
朴歯の下駄
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
悲しい
情緒
(
じょうちょ
)
が胸にあふれた。かれは他人の欠点をいうことはなにより嫌いであった、ましてその人に向かってその人を侮辱するのは忍び得ざることである。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
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この際重井と結婚を約するは情において忍びざる所なきに非ず、
情緒
(
じょうちょ
)
乱れて糸の如しといいけん、妾もそれの、思い定めがたくて、いずれ帰国の上父母とも相談してと答えけるに
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
だんだん刺戟を強くして行って復一はしきりに秀江との関係を手紙の度に
情緒
(
じょうちょ
)
濃
(
こ
)
く匂わして行ったが、真佐子からの返事には復一の求めている女性の肉体らしいものは仄めかないで
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ただ一つ、僕が実感として、此の胸が
浪打
(
なみう
)
つほどによくわかる
情緒
(
じょうちょ
)
は、おう可哀想という思いだけだ。僕は、この感情一つだけで、二十三年間を生きて来たんだ。
他
(
ほか
)
には何もわからない。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
お互に兎に角、
翼
(
つばさ
)
のある
情緒
(
じょうちょ
)
を持っている人間なのでございますからね。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
ジャン・プルーヴェールは
情緒
(
じょうちょ
)
深く、
鉢植
(
はちう
)
えの花を育て、笛を吹き、詩を作り、民衆を愛し、婦人をあわれみ、子供のために泣き、未来と神とを同じ親しみのうちに混同し、気高き一つの首を
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その整然たる外面美とロマンティックな
情緒
(
じょうちょ
)
が、三名人の演奏で、古い録音の間から、生々とした感興で
湧
(
わ
)
き上って来る(JI八七—九〇)。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
「古に恋ふる鳥かも」という句で、簡浄の中に
情緒
(
じょうちょ
)
充足し何とも言えぬ句である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
夜の
情緒
(
じょうちょ
)
、夜の空気、夜の感傷、そして夢のような夜の
讃美
(
さんび
)
をショパンはこの名において二十曲も書いている。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
情緒
(
じょうちょ
)
と愛に満ちた
歌曲
(
リード
)
の数々、それから少しむずかしいものを要求する人は、四つのシンフォニーや、ピアノ・ヴァイオリン・ソナタ、それに最もブラームス的な渋い弦楽四重奏曲
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
“情緒”の意味
《名詞》
ある文物や場所などに接したときに受けるさまざまな感情。風情。雰囲気。
喜怒哀楽を生む心の動き。情動。
(出典:Wiktionary)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
緒
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“情緒”で始まる語句
情緒纏綿
情緒主義
情緒的
情緒感的
情緒纒綿