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悪知慧
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わるぢえ
ラランの
悪知慧は
有名なもので、ほかの
鳥がうまく
飛んでるのを
見ると、
近寄つては
自分の
尖つた
嘴先でチクリと
刺して
墜落させてしまふのだ。
さて
笠置山へ着きますと、ここにいる
土蜘蛛はいたって
悪知慧のあるやつでしたから、
髪長彦の姿を見るが早いか、わざとにこにこ笑いながら、
洞穴の前まで迎えに出て
柄にもなくこんなことを
考えて、
西蔵に
棲んでる
仲間の
鴉を
一々たづねて
話したが、
皆は
日頃ラランの
悪知慧をよく
知つてゐるので、
誰も
一緒に
飛ばうとするものがなかつた。ラランは
不気嫌だつた。