悪敷あしく)” の例文
旧字:惡敷
「廿二日。陰。夜微雨。早朝油川菊重方出立。青森辰巳屋へ一旦著、大病院へ三人之病者頼行。其後往吉屋藤右衛門へ落着。風波悪敷あしく、船不出帆。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
父母寵愛してほしいままそだてぬれば、おっとの家に行て心ず気随にて夫にうとまれ、又は舅のおしただしければ堪がたく思ひ舅をうらみそしり、なか悪敷あしく成て終には追出され恥をさらす。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
其方共わが妻のことばを疑ふやとて御気色悪敷あしく奥の間へ入給ひけるが、其後も北の方様々に歎きまをされ
一 人の妻と成ては其家を能くたもつべし。妻の行ひ悪敷あしく放埒なれば家を破る。万事つづまやかにしてついえなすべからず。衣服飲食なども身の分限に随ひ用ひておごること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一 言葉を慎みておおくすべからず。仮にも人をそしり偽を言べからず。人のそしりきくことあらば心におさめて人に伝へかたるべからず。そしりを言伝ふるより、親類ともなか悪敷あしくなり、家の内おさまらず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)