悠揚いうやう)” の例文
彼は昂然かうぜんとゆるやかに胸をらし、踏張つて力む私の襟頸えりくびと袖とを持ち、足で時折りすくつて見たりしながら、実に悠揚いうやう迫らざるものがある。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
つて、らんかほをしてましてた。……ことばとなまぬるいやうだけれど、そこが悠揚いうやうとしてせまらざるところである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
前後左右から引きも切らずに来る雑多な車の刹那せつなの隙を狙つて全身の血を注意に緊張させ、悠揚いうやうとしたはや足になかばこえて中間にある電灯の立つた石畳を一先ひとま足溜あしだまりとしてほつと一息つき
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
素晴らしい次高音メツオ・ソプラノを浴びせられて、八五郎は悠揚いうやうとして足を止めました。
悠揚いうやうとして立ち上がる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
みんなの意志は悠揚いうやうとして
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
悠揚いうやうとしてほがらかなるは
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ああ太陽よ、悠揚いうやう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)