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いうやう
彼は
昂然とゆるやかに胸を
反らし、踏張つて力む私の
襟頸と袖とを持ち、足で時折り
掬つて見たりしながら、実に
悠揚迫らざるものがある。
と
言つて、
知らん
顏をして
澄まして
居た。……
言は
些となまぬるいやうだけれど、そこが
悠揚として
迫らざる
處である。
前後左右から引きも切らずに来る雑多な車の
刹那の隙を狙つて全身の血を注意に緊張させ、
悠揚とした
早足に
半越て中間にある電灯の立つた石畳を
一先づ
足溜としてほつと一息つき
素晴らしい
次高音を浴びせられて、八五郎は
悠揚として足を止めました。