トップ
>
悚
>
ぞっ
ふりがな文庫
“
悚
(
ぞっ
)” の例文
悚
(
ぞっ
)
と涼しく成ると、例の
頬辺
(
ほっぺた
)
が
冷
(
ひや
)
りとしました、螢の留った処です。——裏を透して、口の
裡
(
うち
)
へ、真珠でも含んだかと思う、光るように胸へ映りました。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腕車
(
くるま
)
の
破
(
こわ
)
れたのも、車夫に間違えられたのも、来よう
筈
(
はず
)
のない、芳原近くへ来る約束になっていたのかも知れないと、くだらないことだが、
悚
(
ぞっ
)
としたんだね。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
使者の職人は、
悚
(
ぞっ
)
とするなり、ぐったりと手を
支
(
つ
)
きましたとさ。言われる通り、たった今、富さんが、鶏の
瞳
(
め
)
を入れようとして、入れようとして幾たびか、
鉄鎚
(
かなづち
)
を持ったんだそうです。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
少年は降りしきる雪の
気勢
(
けはい
)
を身に感じて、途中を思い出したかまた
悚
(
ぞっ
)
とした様子。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それですっぱりと顔を
拭
(
ふ
)
いてよ、そこでまた一安心をさせながら、何と、それから丸々ッちい両肌を脱いだんだ、それだけでも
悚
(
ぞっ
)
とするのに、考えて見りゃちっと変だけれど、胸の処に剃刀が
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
灯
(
ともしび
)
の暗い、
森
(
しん
)
として、片附いた美しい二階の座敷を
眗
(
みまわ
)
したが、そうだ、小包が神月からというのに
顛倒
(
てんどう
)
して忘れていた、
先刻
(
さっき
)
を思出すと、
悚
(
ぞっ
)
として、ばたりと箱を落して立ち、何を
憚
(
はばか
)
るともなく
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と寂しく笑いつつ、毛肌になって
悚
(
ぞっ
)
とした。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
悚
漢検1級
部首:⼼
10画
“悚”を含む語句
悚然
悚気
悚立
恐悚
悚毛
三悚
悚撃
慄悚
戦悚
戰悚
毛髪悚然
立悚