うやま)” の例文
すつと入りて座につきたまへば、二人はうやまつゝしみて共に斉しく頭を下げ、少時上げも得せざりしが、嗚呼いぢらしや十兵衞が辛くも上げし面には
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
亭主に向いては威権いけんはなはだ強過れどればとてうやまわざるにあらず、人附ひとづきはなはだ好ければいやらしき振舞はたえて無く
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
すっと入りて座につきたまえば、二人はうやまつつしみてともにひとしくこうべを下げ、しばらく上げも得せざりしが、ああいじらしや十兵衛が辛くも上げし面には
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
で次の四辻にて分るゝまで語らいながら歩むなどの事も有りたれど其身分其職業などは探り知ろうようも無くだ此の目科に美しき細君ありて充分目科を愛しうやまう様子だけは知れり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)