必定きっと)” の例文
如何どうして又、こんな処で会ったろう。彼女あれ必定きっと僕と気がいたに違いない。お正さん僕は明日朝出発たちますよ。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「ええ、ええ。そりゃあ必定きっと、お喜びになりますわ。先生の事も二、三度お話の中に出て来たように思いますわ。臼杵君はトテモ面白い学生だったって、そう仰言ってね」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
だってね母上おっかさんのことだから又大きな声をして必定きっと怒鳴どなりになるから、近処きんじょへ聞えても外聞が悪いし、それにね、貴所あなたが思い切たことを被仰おっしゃると直ぐ私が恨まれますから。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
あとで必定きっと後悔するもんだから……てな事をみんなして色々云うもんですからね……ハハハ……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
必定きっと七屋ななつやからでも持て来たお金でしょう。そんなおもいのとッ着いた金なんか借りたくないよ。何だね人面白ひとおもしろくも無い。可いよ今蔵が帰って来るの待っているから。今蔵に言うから
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それを見て私は最早もう必定きっとそうだと決定きめて御隠居様に先ず申上げてみようかと思いましたが、一つ係蹄わなをかけて此方こっちめした上と考がえましたから今日ってたので御座いますよ
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『私真実ほんとに気味が悪いわ。母上おっかさん必定きっと何にか妙なことを思って居るのですよ。』
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
うそきなさんな、嘘を。今蔵の奴必定きっと三円位で追返せとか何とか言ったのだろう。だから自分は私をけて出て行ったのだろう。可いよ、待ってるから。晩までだって待っていてやるから
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「貴様は必定きっと守って下さる方です。」と声をふるわし
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)