御近習ごきんじゅ)” の例文
相「お國様やなにかには少々お話が出来兼できかねますから、どうか御近習ごきんじゅの方々を皆遠ざけて戴きとう存じます」
小野は丹後国にて祖父今安太郎左衛門いまやすたろざえもんだいに召し出されしものなるが、父田中甚左衛門じんざえもん御旨おんむねさかい、江戸御邸より逐電ちくてんしたる時、御近習ごきんじゅを勤めいたる伝兵衛に、父を尋ね出して参れ
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
御主人が御捕おとらわれなすったのち御近習ごきんじゅは皆逃げ去った事、京極きょうごく御屋形おやかた鹿ししたにの御山荘も、平家へいけの侍に奪われた事、きたかたは去年の冬、御隠れになってしまった事、若君も重い疱瘡もがさのために
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「では、御近習ごきんじゅを、呼んでほしい」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山「少々他聞を憚りますから、御近習ごきんじゅの衆をお遠ざけ下さいますれば有難う存じます」
御近習ごきんじゅ蘭丸らんまるどの」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなたもさぞ御心配なすったでしょうが、明日こそはお目に懸れます、しかわたくしはお役柄の御近習ごきんじゅゆえ、役目に対して残念ながらお目に懸ることが出来ませぬ、あなたはお名残なごりのためお出でなさいまし
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)