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御紋付
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ごもんつき
願ひ候といふに常樂院は兩人の
言葉を聞て
打笑乍ら申けるは成程
仔細を
知ねば
驚くも無理ならず
然ども
御表札と
御紋付の幕を
爾うかソリャ幸いだが、紋所は。「紋所は
御紋付だから誰にでも着られる羽織だがドウだ。「ソリャ
宜い、爾う云う売物があるなら
兎も
角も見たいものだ。 ...
きり/\と
卷上れば御城代堀田相摸守殿
平伏致され少し
頭を上て恐れ乍ら今般
如何なる事ゆゑ
御上坂町奉行へ
御屆もなく
理不盡に
御紋付の御幕を
張せられしが右樣の儀ならば
前以て
私共へお
話の有べき
筈なり若し此事
町奉行所より
御沙汰あらば
貸主三郎兵衞は
勿論世話人の庄藏までの
難儀なり
何卒右の
表札と御玄關なる
御紋付のお幕はお
取外しを