御止およ)” の例文
「じゃ御止およしになれば好いのに。つまらないわ、貴夫、今になってあんな人と交際うのは。一体どういう気なんでしょう、先方むこうは」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御止およしなさいましよ。御召しでもよごれるといけません。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「元来一文も出さないといったって、貴方あなたの方じゃどうする事も出来ないんでしょう。百円で悪けりゃ御止およしなさい」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御止およし。御止しよ。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
だから私も突っねたのさ。今時分そんな事を持ち出すのは、まるで自分の殺した子供を、もう一ぺん生かしてくれって、御寺様へ頼みに行くようなものだから御止およしなさいって。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御止およし。御止し。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大變たいへんどくになりますから、御止およしになつたはういでせう。もしいてなに御讀およみになりたければ、禪關策進ぜんくわんさくしんといふやうな、ひと勇氣ゆうき鼓舞こぶしたり激勵げきれいしたりするものがよろしう御座ございませう。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「いくら承知でも御母さんが困るから御止およしよ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「今夜は御止およしよ」と母がめた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)