御尋おたづね)” の例文
幼君えうくんたゞちに御披見ごひけんありて、「こは一段いちだん思附おもひつき面白おもしろ取合とりあはせなり。如何いかなんぢこゝろにもこれにてしとおもへるか」と御尋おたづねに、はツと平伏へいふくして
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御尋おたづね申さんと夫婦相談に及びたり扨翌日にもなりければ長八夫婦は早朝さうてうより兩人して山崎町乞丐頭長屋がうむねながやなる大橋文右衞門方へと志ざしてぞ出行ける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御尋おたづねの女はあれにといふ老僕の手に、些の銀貨を握らすれば、あまたゝびぬかづき謝して、直ちに戸外に出で去りぬ。
ひそめてお兩人樣御尋おたづねなくとも申上ねば成ぬ大切の事あり其仔細と言は一昨年の事にて候ひしが私し同樣に御いへに御奉公致し居候吾助事何故かは存じ候はねども喜内樣の御病氣のせつ御看病ごかんびやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
切殺きりころし親に手向たむけん是則ち敵討なりと立騷たちさわぎ候に付皆々打寄異見仕つれども聞入申さずよんどころなく召連めしつれて御訴へ申上ると彦三郎を連て皆々南御番所へ罷出申べし其時御尋おたづねらば彦三郎殿委細ゐさい事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)