御尋おたづ)” の例文
心當こゝろあてに助十樣と御尋おたづね申せしと始終はじめをはりを物語りけるに兩人は思はず涙を流し偖々さて/\いまだ年も行ぬ身を以て百餘里のみちくだ親公おやごほね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『始めまして——私は高柳利三郎です。かねて御名前は承つて居りましたが、つい御尋おたづねするやうな機会も無かつたものですから。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
では一寸ちよつと御尋おたづね致したい事がございます。私共の国の先の殿様は大層悪い殿様で無茶苦茶に高い税金を取られまして、もう国中は貧乏になつてしまひました。
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
はなせしゆゑなににしても文右衞門樣の御身のうへあんじらるゝによりいそぎ只今御尋おたづね申せしわけまた大恩だいおんうけたる文右衞門樣になに意恨いこんあつて御難儀ごなんぎになる事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出すべし御奉行樣のそばに居る目安方めやすかたの御役人是を讀上よみあ此書付このかきつけは何者が認めたるやと御尋おたづねの時われかきたりと云ひてはわるし因て昨日御門へ這入はひりかねて御門前を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)