後者こうしゃ)” の例文
後者こうしゃはその肌の清らかなのを形容して衣通と呼んだのである。いかなる尊い人間でも、身の内から光りを放って夜を昼にするなどというためしのあるべき筈がない。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殊に後者こうしゃについては、諸君は何故なにゆえに最少のエネルギーを取出すことに苦心するかと思われるだろうが、抑々そもそも原子崩壊によって生ずるエネルギーはものすごく強大であって
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
乳母うばとピーターとのきたるを見附みつけての評語ひゃうごとも、マーキューシオーとベンヺーリオーの猥雜わいざつ問答もんだふ反語的はんごてきひゃうしたるものとかいせらる。こゝには後者こうしゃたゞしとて、其義そのぎやくしておきたり。
冷奴の平民的なるに対して、貴族的なるはうなぎ蒲焼かばやきである。前者ぜんしゃの甚だ淡泊なるに対して、後者こうしゃは甚だ濃厚なるものであるが、いずれも夏向きの食い物の両大関である。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)