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強請
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せび
ふりがな文庫
“
強請
(
せび
)” の例文
「おい二郎、また御母さんに
小遣
(
こづかい
)
でも
強請
(
せび
)
ってるんだろう。お綱、お前みたように、そうむやみに二郎の口車に乗っちゃいけないよ」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(僕にはどこがいいのかわからなかったがね。)それだもんだから、どうしてもあの女の古い人力車と苦力とを手に入れたいと
強請
(
せび
)
るのでね。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
彼女はいやな思いをしながら、幾度梅園小路の春よしを訪ね、姉を表へ呼び出して金を
強請
(
せび
)
ったか知れないのであった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
御飯の時に姉さん達は次の週に舞踏会をしたいって、三人がかりでお母さんを
強請
(
せび
)
っていた。しかし招待状を出しても男は一人も来ないだろう。来なくたって構わない。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
三両の給金というのに眼が
眩
(
く
)
れて、前後のかんがえも無しに是非そこへやってくれと
強請
(
せび
)
りますので、お徳もとうとう
我
(
が
)
を折って、当人の云うなり次第に奉公させることになりました。
半七捕物帳:20 向島の寮
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
お前はほかに、お前を好いている女がいるのじゃないか。それとも塾生の中にお前が好いている娘がいて、その事に
就
(
つ
)
いて母親と喧嘩したのじゃないか。母親にお金を
強請
(
せび
)
ったのじゃないか。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
欲しがって、わたしも四、五十円は出してやったんだが、いくらでも欲しがるので、お前に云われたこともあるし、ハッキリ断っていたんだが、それが十日前くらいからピッタリ
強請
(
せび
)
らなくなったので……
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「そう
贅沢
(
ぜいたく
)
ばかり云ってちゃもったいない。
厭
(
いや
)
なら僕に譲るがいい」と敬太郎は
冗談
(
じょうだん
)
半分に須永を
強請
(
せび
)
ることもあった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
裸になって
市
(
まち
)
から帰って来ると、兄はよくお島のものを持出して、顔を知っている質屋の門などを
潜
(
くぐ
)
ったが、それも
種子
(
たね
)
が尽きて来ると、矢張女のところへ
強請
(
せび
)
りに行くより外なかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
が、それは僕が中学から高等学校へ移る時分の昔である。今はいくら母に
強請
(
せび
)
って同じ話をくり返して
貰
(
もら
)
っても、そんな
気高
(
けだか
)
い気分にはとてもなれない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何時起るかも知れない御縫さんの死は、
狡猾
(
こうかつ
)
な島田にまた彼を
強請
(
せび
)
る口実を与えるに違なかった。明らかにそれを予想した彼は、出来る限りそれを避けたいと思った。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は子供が母に
強請
(
せび
)
って買ってもらった草花の鉢などを、無意味に縁側から下へ
蹴飛
(
けと
)
ばして見たりした。赤ちゃけた
素焼
(
すやき
)
の鉢が彼の思い通りにがらがらと
破
(
われ
)
るのさえ彼には多少の満足になった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「この
己
(
おれ
)
をまた
強請
(
せび
)
りに来る奴がいるんだから
非道
(
ひど
)
い」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“強請”の意味
《名詞》
(きょうせい、ごうせい)無理に頼むこと。
「ゆすり」参照。
「もがり」参照。
(出典:Wiktionary)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“強請”で始まる語句
強請事
強請場
強請者
強請的
強請言