張良ちょうりょう)” の例文
私は、張良ちょうりょうしん始皇帝しこうていを、挺身襲撃した古事を、漢学によって学び、張良の強く正しい意気を、深く敬慕していたものであった。
私の歩んだ道 (新字新仮名) / 蜷川新(著)
「官兵衛、愚痴はよせ。おれを智嚢なしというが、その智慧なしの計に落ちた貴さまは何か。——それでも中国の張良ちょうりょうといえるか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぎょうの時に、五つの星が天から落ちた。その一つは土の精で、穀城こくじょう山下に墜ち、化して※橋ひきょうの老人となって兵書を張良ちょうりょうに授けた。
今存している三略さんりゃく張良ちょうりょうの墓を掘って彼が黄石公こうせきこうから頂戴したものをアップしたという伝説だが、三略はそうして世に出たものではない。全く偽物だ。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我等が信ずる多門兵衛様が——日本の孔明こうめい張良ちょうりょうが、城を開こうとするのである。開くべき筋があればこそ、こうして城を開くのであって、尋常一様の落城ではない。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つまり、張良ちょうりょう黄石公こうせきこうより兵書を授かりし話と同一類であるから、信ずることはできぬ。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
自分で魚市場から買って来た魚をそのままうろこも落さずわたも抜かずに鉄網で焼いてがむしゃらにむさぼり食っていた。その豪傑振りをニヤニヤ笑っていたのは当時張良ちょうりょうをもって自ら任じていたKであった。
海水浴 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「上は張良ちょうりょう。下は蕭何しょうかであります」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)