たける)” の例文
命はたけるがそれでまごまごしているうちに、すばやくほんものの刀を引き抜いて、たちまちその悪者を切り殺しておしまいになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
かれそのたけなはなる時になりて、御懷より劒を出だし、熊曾くまそが衣のくびを取りて、劒もちてその胸より刺し通したまふ時に、そのおとたける見畏みて逃げ出でき。
「さあ、今だ、うて」とお歌いになると、たちまち一度に太刀をき放って、たけるどもをひとり残さず切り殺してしまいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
すなはち出雲の國に入りまして、その出雲いづもの國のたけるらむとおもほして、到りまして、すなはち結交うるはしみしたまひき。かれ竊に赤檮いちひのきもちて、詐刀こだちを作りて、御はかしとして、共に肥の河にかはあみしき。
そして二人とも刀をき放すだんになりますと、たけるのはにせの刀ですから、いくら力を入れても抜けようはずがありません。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)