幾緡いくさし)” の例文
移らせて引く大夫が手に、宮崎も佐渡も幾緡いくさしかの銭を握らせたのである。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此時は里人さとひと幾十人をやとひ、かんじきすかりにてみち蹈開ふみひらかあとしたがつゆく也。此ものいり幾緡いくさしの銭をつひやすゆゑとぼしきたび人は人のみちをひらかすをまちむなしく時をうつすもあり。健足けんそく飛脚ひきやくといへども雪みちゆくは一日二三里にすぎず。