“幣帛(ぬさ)” の例文
長歌の反歌で、長歌は、「山科(やましな)の石田(いはた)の森の、皇神(すめがみ)に幣帛(ぬさ)とり向けて、吾は越えゆく、相坂(あふさか)山を」云々。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また宇陀(うだ)の墨坂(すみさか)八の神に、赤色の楯矛(たてほこ)を祭り九、また大坂(おほさか)の神一〇に、墨色の楯矛を祭り、また坂(さか)の御尾(みを)の神、河(かは)の瀬(せ)の神までに、悉に遺忘(おつ)ることなく幣帛(ぬさ)まつりたまひき。
彼はその深夜に動いて行く松明(たいまつ)の輝きを想像し、榊(さかき)、籏(はた)なぞを想像し、幣帛(ぬさ)、弓、鉾(ほこ)なぞを想像し、その想像を同門の人たちのささげて行く四大人の御霊代にまで持って行った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
多勢村のものが寄集まつて一人の眼隱した男を取圍(とりま)いて居る光景(ありさま)を一寸想像して見て下さい。激昂した衆人の祈祷の中で、その男の手にした幣帛(ぬさ)が次第に震へて來ることを想像して見て下さい。
天(あま)つ神(かみ)地(くに)つ祇(かみ)、また山の神海河の神たちまでに悉に幣帛(ぬさ)奉り、我が御魂を御船の上にませて、眞木(まき)の灰を瓠(ひさご)に納九れ、また箸と葉盤(ひらで)一〇とを多(さは)に作りて、皆皆大海に散らし浮けて、度(わた)りますべし