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さしよ
最う
晴やかに成つて、
差寄せる盆に
折敷いた
白紙の上に乗つたのは、たとへば親指の
尖ばかり、名も知れぬ鳥の卵かと思ふもの……
「ちょっと。」「何さ。」
手招ぎをして、「来て見なよ。」家内を
呼出して、両方から、そっと、顔を
差寄せると、じっとしたのが、
微に黄色な
嘴を傾けた。
又黙って
俯向いた、しばらくすると顔を上げて斜めに巻煙草を
差寄せて
又默つて
俯向いた、しばらくすると
顏を
上げて
斜めに
卷煙草を
差寄せて