山臥やまぶし)” の例文
九九 土淵村の助役北川清という人の家は字火石ひいしにあり。代々の山臥やまぶしにて祖父は正福院といい、学者にて著作多く、村のために尽したる人なり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
日記永正五年六月十八日の条には、夜一条観音に参詣するのに、山臥やまぶしの体をしたとある。
き進むエンジンの音に鳴留なきやんだけれども、真上に突出つきでた山のに、ふアッふアッと、山臥やまぶしがうつむけに息を吹掛ふきかけるようなふくろうの声を聞くと、女連おんなれんは真暗な奥在所へ入るのを可厭いやがった。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
九九 土淵村の助役北川清といふ人の家は字火石ひいしにあり。代々の山臥やまぶしにて祖父は正福院といひ、学者にて著作多く、村のために尽くしたる人なり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
家の者あまりにその死にやうの不思議なればとて、山臥やまぶしのケンコウ院といふに相談せしに、その答へには、山の神たちの遊べる所を邪魔したるゆゑ、その祟りをうけて死したるなりと言へり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
家の者あまりにその死にようの不思議なればとて、山臥やまぶしのケンコウ院というに相談せしに、その答えには、山の神たちの遊べるところを邪魔したる故、そのたたりをうけて死したるなりといえり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
連尺商いのもう一つ前には、日本はひじりまたは山臥やまぶしという旅をする宗教家があって、それが修行のかたわらにわずかずつの物品を地方にはこんで、呉服ごふくとか小間物こまものとかの商売を開いたと言われている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)