小枕こまくら)” の例文
殿の御物おものはますます増長し、小枕こまくらほどになったことで、あおのけに寝た腹の上に、ふぐりが大々と盛りあがり、石灯籠の子持笠のように見えた。
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
妻のお政はすやすやと寝入り、そのそば二歳ふたつになるたすくがその顔を小枕こまくらに押着けて愛らしい手を母のあごの下に遠慮なく突込んでいる。お政の顔色の悪さ。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その女は綺麗きれいな、ちりめんの小枕こまくらに絹糸の房の垂れている、きじ塗りの船底枕ふなぞこまくらをわきによせながら、花莚はなござの上へ座ったままでいった。そばには大きな猫がいた。
の二種として、これを結ぶに必要なるは、先づ髷形わげがたかもじとなり。髢にたぼみの小枕こまくらあり。びんみの、よこみの、かけみの、根かもじ、横毛といふあり、ばら毛といふあり。
当世女装一斑 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
高い縁から突落されて、こうがい落し、小枕こまくら落し……
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こうがい落し小枕こまくら落し……)
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小枕こまくら落し
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)