小児衆こどもしゅう)” の例文
旧字:小兒衆
狂言なの、お能なの、謡をうたうの、母様おっかさんに連れられて、お乳をあがっていらっしゃる方よりほか、こんな罪のない小児衆こどもしゅうのお客様がもウ一人ござんすか。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小児衆こどもしゅう小児衆、わしとこへござれ、と言う。はや白媼しろうばうちかっしゃい、かりがなくば、此処ここへ馬を繋ぐではないと、馬士まごは腰の胴乱どうらん煙管きせるをぐっと突込つッこんだ。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じじい殿と二人きりで、雨のさみしさ、行燈あんどうの薄寒さに、心細う、果敢はかないにつけまして、小児衆こどもしゅうを欲しがるお方の、お心を察しますで、のう、子産石も一つ一つ、信心して進じます。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まねき善悪よしあしでござりまして、姫方や小児衆こどもしゅうこわいとおっしゃって、旅籠屋はたごやうなされるお方もござりますそうでござりまする。それではお気味が悪くって、さっさと通り抜けておしまいなされましたか。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)