射水いみず)” の例文
ちょうど広場とその頂との境に、一条ひとすじ濃いもやかかった、靄の下に、九十九谷つくもだにはさまった里と、村と、神通じんつう射水いみずの二大川だいせんと、富山のまちが包まるる。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが北国の方でも婦負ねい射水いみずの二郡の境では、雀をノキバノオバサンなどという処があるのである。
富山県射水いみず下村しもむらの加茂神社の春季祭に牛乗式が行われるが、この牛は昔から飛騨より借りて来る。
大伴家持は、天平十九年春三月三十日、二上山の一首を作った、その反歌である。この二上山は越中射水いみず郡(今は射水・氷見両郡)今の伏木町の西北にそびゆる山である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして、射水いみず中学の校長先生が乗っていられて立山の話をされました。先生は称名ノ滝までお子様と二人で散歩においでになったのです。私は先生と一緒に称名川しょうみょうがわを遡って行きました。
単独行 (新字新仮名) / 加藤文太郎(著)
神通川じんずうがわをこえ、射水いみず曠野こうやを西へ西へ。やがてまた大河のほとりまで来ると、成政は
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他ではまだ同じ名は耳にしないが、紀州の有田郡、飛騨ひだの高山や船津ふなつ、東北では伊達だて郡の掛田かけだなどでこれをイドグサと呼んでいる。富山県の射水いみず郡ではイケバタまたはイケノハタという。