“対(ムカ)” の例文
旧字:對
若くから氏上(ウヂノカミ)で、数十家(ケ)の一族や、日本国中数万の氏人(ウヂビト)から立てられて来た家持(ヤカモチ)も、ぢつと対(ムカ)うてゐると、その静かな威に、圧せられるやうな気がして来る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その氷の山に対(ムカ)うて居るやうな、骨の疼(ウヅ)く戦慄の快感、其が失せて行くのを虞(オソ)れるやうに、姫は夜毎、鶏のうたひ出すまでは、殆(ホトンド)、祈る心で待ち続けて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)