寝首ねくび)” の例文
旧字:寢首
範実 「男は戦場に太刀打ちをするが、女は寝首ねくびしかかないのだ。人殺しの罪は変るものか。」
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そ、その料簡りょうけんがいけねえんだ。はらにあろうがなかろうが、武士ぶし戦略せんりゃく坊主ぼうず方便ほうべんとき場合ばあいじゃ、ひと寝首ねくびをかくことさえあろうじゃねえか。——さ、ここにふでかみがある。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
別段間者がいるわけでもなく寝首ねくびをかかれるわけでもなく生命の不安があるわけでもない芸術の世界ですらそうなので、自由の天地へつきはなされ、昨日の作品よりは今日の作品がより良くより高く
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
のみならず鬼が島に生き残った鬼は時々海を渡って来ては、桃太郎の屋形やかたへ火をつけたり、桃太郎の寝首ねくびをかこうとした。何でも猿の殺されたのは人違いだったらしいといううわさである。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)