トップ
>
寒椿
>
かんつばき
ふりがな文庫
“
寒椿
(
かんつばき
)” の例文
家付きのお
縫
(
ぬい
)
は、灯のそばに、凍った
寒椿
(
かんつばき
)
みたいに、じっと、俯向いていた。彦太は、こんな美しい襟あしを見たことはなかった。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半ば折りめぐらされた金屏風の
緑青
(
ろくしょう
)
の青いのと、
寒椿
(
かんつばき
)
の赤いのが快く眼を刺激してうつらうつらした気分に襲われたものです。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
珊瑚
(
さんご
)
の
象眼
(
ぞうがん
)
と見えるのは
寒椿
(
かんつばき
)
の色であろう、二つ三つ四つと紅い色どりが数えられるところになんの鳥か、一羽キキと鳴いて枝をくぐった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ツィ——と寂しそうに鳴いて、
目白鳥
(
めじろ
)
が
唯
(
ただ
)
一羽、雪を
被
(
かつ
)
いで、
紅
(
くれない
)
に咲いた一輪、
寒椿
(
かんつばき
)
の花に来て、ちらちらと羽も尾も白くしながら枝を
潜
(
くぐ
)
った。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その辺に咲いている
寒椿
(
かんつばき
)
の横手から裏庭へかけて、私は足を運んでみました。
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
この
痩所帯
(
やせじょたい
)
に金屏風だけが光っている、これはお寺の
什物
(
じゅうもつ
)
の一つを貸してくれたもので、
緑青
(
ろくしょう
)
の濃いので、青竹がすくすくと立っている間に
寒椿
(
かんつばき
)
が咲いている、年代も相当に古びがついて
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
机の上にお銀様の好きな
寒椿
(
かんつばき
)
が一輪、留守居顔にさされてあるばかりです。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
寒
常用漢字
小3
部首:⼧
12画
椿
漢検準1級
部首:⽊
13画
“寒”で始まる語句
寒
寒気
寒氣
寒空
寒風
寒冷
寒々
寒竹
寒鴉
寒天