大笑たいしょう)” の例文
二郎が苦笑いしてこの将軍の大笑たいしょうこたえ奉りしさまぞおかしかりける。将軍の御齢おんとしは三十を一つも越えたもうか、二郎に比ぶれば四つばかりの兄上と見奉りぬ。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
思わずののしった。この馬鹿野郎、貴様は何だ、ぜ名を云てれんか、乃公おれは怖くてたまらなかったと云て、奥に通して色々世間話をして、共々に大笑たいしょうした事がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
役所よりの帰途きと、予が家に立寄たちより、今日俸給ほうきゅうを受取りたりとて、一歩銀いちぶぎん廿五両づつみ手拭てぬぐいにくるみてげ来られ、予がさいしめし、今日きょうもらって来ました、勇気ゆうきはこれに在りとて大笑たいしょうせられたり。
大笑たいしょうの奥には熱涙がひそんでいる。雑談じょうだんの底には啾々しゅうしゅうたる鬼哭きこくが聞える。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
案内役らしい背のひょろ高い男が、一行を振りかえって大笑たいしょうした。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一座大笑たいしょうもよおしたことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)