大川端おほかはばた)” の例文
(或は心理描写の影を帯びてゐる。)大川端おほかはばたの秋の夕暮に浪費を思つた吉井勇氏はかう云ふ点では石川啄木と、——貧苦と闘つた石川啄木と好個かうこの対照を作るものであらう。
材木町ざいもくちやう陶器屋たうきやつま嬰兒あかごふところに、六歳ろくさいになる女兒をんなのこいて、すさまじ群集ぐんしふのなかをのがれたが、大川端おほかはばたて、うれしやとほつ呼吸いきをついて、こゝろづくと、ひとごみに揉立もみたてられたために
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
長吉ちやうきち浜町はまちやう横町よこちやうをば次第に道のくまゝに大川端おほかはばたの方へと歩いて行つた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)